Daisuke Yokota

横田 大輔

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  • StareReapとのコラボレーションを通して

    「写真のマテリアルはどこへ行ってしまうのだろうか?」とフィルムや印画紙を多用する僕としては写真にまつわる技術の発展を複雑に捉えている部分もあるのですが、StareReapはまさに現代の写真の新たなマテリアルとなるのではないかと感じました。
    個人的には特に透明インクが素晴らしく、奥行きや深さを画像の視覚情報だけではなく、透明インクによって実際の厚みを持って再現出来るということが驚きでした。それに加えて、インクのみによって自立可能であるという事、インクそのものが写真の支持体だという点もまた驚きでした。

    今回コラボレーションをさせていただいて改めて感じたのは、僕は完璧な再現にはあまり興味がないという事です。例えばCGのキャラクターが陥る不気味の谷現象の、完璧の一歩手前にあるほんの少しの欠如に対して人が抱く違和感、そこにこそ僕は魅力を感じます。
    一般的なデジタル写真にまつわる技術は、再現性の完璧さや記録という側面を徹底的に強化する事で、銀塩写真からの欠如を巧みに隠した様に思います。それに対してStareReapは、本来写真には存在しない厚みを与えるという過程によって、かつての写真の化学的な変成プロセスという重要な側面を引き継いでいると感じます。
    写真に限りなく近いけれど、写真ではなくもちろん絵画でもない新たな画像らしきなにか別のものは、本来デジタル写真が担うはずであった可能性を改めて探る事の出来る新たな技術だと思います。
    また、StareReapの今後に期待するのは、実際のサイズや価格、維持費などを知らないから無責任な願いになりますが、いつか一般普及とまでは行かなくても、個人でも所有が可能になったら素晴らしいなと思います。